基本:(保管編+α)
しまう前に洗わないでください!着古して、日焼けして、使い込んでいくのが半纏なんです。古く見えて格好悪い?そんなこと無いんです。え?汚い?臭い?洗えば、着古したようになる?
コラァ!っという気持ちでいっぱいです。苦笑 あ、それと洗濯機に入れちゃう人や柔軟仕上げ剤で半纏を着やすくするという強者がいますが、決して行わないでください。洗濯機は大きなシワそのパワーで致命的な問題を起こし、柔軟仕上げ剤は予想が出来ない問題を引き起こします。また、漂白剤などももちろん厳禁です。ちょっと話がズレますがビンテージGパンと既製品のウオッシャブルのGパンの価値の差は?わかってもらえますよね。着古して、適度な洗濯(現代人は洗いすぎ)が1番なのです。
※汗などを軽く落とす洗濯はOKです。徹底的に除菌をすりょうな洗濯はNGです。
ですが!
実はここには盲点が・・・誰も書かないですが、クレーム度No1なので、必ず記憶してください。
お祭りやイベントでお気に入りの半纏を着て気になることありませんか?汗だく。。。
汗なんていいんだよ。俺(私)のなんだから!自分の匂いってのは最高さ!って、それはそれでいいんですが、実は大問題。汗というのは人が作り出す液体化学物質の塊なんです。ほら、お気に入りのシャツや背広やワンピース、はては真珠まで汗の部分がおかしくないですか?これは、汗の化学物質に反応している結果なんです。和装業界は残念ながら染色技術が未熟なまま現代になってしまいました。私たちはそれが粋だと思いますが、みなさんは洋服慣れしてしまったのです。その洋服でさえも洋服でも汗シミ、変色がするのです。普通は、ありゃー、汗で変色しちゃったよ。と終わるのに、これがお気に入りの半纏や浴衣、着物ですと、大騒ぎ。販売店へ怒鳴り込む方が多い多い。びっくりするくらい多い!不勉強な販売店は大事なお客様のご意見はごもっともです!これはメーカーに弁償させましょう!とがんばる。メーカーへ送り、クレームの罵詈雑言。そこでメーカーは一言。これは汗のせいです。ほら、脇の下と胸と背中、帯の部分に集中しているでしょう?と終わり。小売店は大変です。大事なお客様に「あんたの汗がおかしいんだ」と言えません。そこで99%が俺(私)以外にも同じものを着た人間が居て、汗をかいていたが、誰もならなかった!俺だけ色落ちした!と。そこで、小売店。そうでしょうお客様!おかしいですよね!っと再度メーカーへ。そこへきて、小売店の不勉強が光ります。どこが?と思うでしょう。実は汗は体臭と同じで個人個人に差があります。だから、その人は問題になっても他の人にはならないなど出てきます。もちろんその人がクサイとかではありません。染料との相性が悪かったのです。小売店はここまで行くとお客様がクサイからというのと同じくらいの気持ちになっているので、結果お客様に菓子折を持ってお詫びに行くことになります。最初にそういう勉強をしていればなんの問題もないのに・・・悲しい話です。お客様だってかかなくてよい恥を幾重にもかかせてしまったのです。残念。そんなことですので、汗を大量にかいたら洗いましょう。出来るだけ、刺激(洗剤、こすり荒いなど製品に負担となる事)を少なくが基本です。水洗いが1番。洗濯機を使わない。手洗いをする。漂白剤、酵素洗剤を使わない。それも、汗をかいたりヨゴレが多いときだけですので、ご注意下さいね。この他多いのが濡れたまま放置することです。本体の色が同じ本体の場所に汚染することはとても多いです。また、手拭いを衿に掛けて、汗をかけば本体と手拭いが濡れます。そのまま放置で残念ながら大変な色落ちを経験することでしょう。なお、この場合は本体の洗濯タグを確認した上で、薄目の中性洗剤で洗ってみましょう。殆どが取れるはずです。もちろんその後はきれいな水で十分にすすいで下さいね。だって、汚染したところが落ちたってことは、その色が水や他の部分ににしみ出しているってことですからね。
藍染:
これって、実は本物と偽者があるんですよ。それは覚えておいてくださいね。
一応、書いておきますが・・・・色落ちがひどい!とクレームされる方がいるようですが、当たり前のことです。(というか、聞いた話では、本物の藍は皆様が思っているよりは落ちないそうです。安物は新品でも粉がポロポロ落ちたりしますけれどね・・)何度か洗うしかありません。ですが、決してむやみに洗って色を落とさないでください。とにかく着古して色落ちさせるのが基本です。だからといって祭の最中に他の人にはつけたくないと思いますので、ご自分の判断でどうぞ。また、専門家または、おじーちゃん、おばーちゃんと住んでいる方は色止めを聞いてみてください。きっと知っていると思います。酢とか・・・(使用には十分な配慮と知識が必須です)落ちた色が手についた!そんな時は自然派石鹸で洗えば手はきれいになります。藍染の場合は上記基本は無視して、水洗いのみ。ドライ不可。専門店へ持ち込むことも避けて、購入したお店で相談してください。
硫化染:
危険度満点なので、できるだけ洗わないで下さい。水洗いがオススメです。
反応染:
水洗い程度が基本です。ヨゴレがひどい場合は、薄目の中性洗剤を使います。押し洗いが基本です。浴衣の洗濯と似ています。今は大きなタライが無い時代ですのでお風呂場にお水を張って、行いましょう。押し洗い後は清水ですすぎを丹念に行い、たたんだ形で洗濯ネットに入れて洗濯機で軽く(極軽く)脱水すると良いでしょう。脱水のしすぎはシワのもとになります。脱水後、洗濯後は放置せず、布が重なり合わないようにして、陰干しで干します。乾燥後はアイロンをオススメします。さらにどうしてもヨゴレが落ちない!こんな時は水の温度を上げることをオススメします。お風呂場でしたらお湯もでますよね。40度でチャレンジ!まだまだ?60度までなんとか!(60度はかなり危険ですので最終手段です。何かあっても責任を取れません)ドライクリーニングが出来ますので、(出来るだけ出さないでください)心配な方はドライクリーニングをしましょう。ただし、業者には、「たっぷりの水ですすぎをしてください」と頼んで下さい。そうしないと・・・・白場に洗濯したときの色落ちがうっすらと汚染します。
顔料染:基本は反応染と同じですが、洗いすぎは色落ち色はげの原因になりますので、ほどほどに。最大のポイントとしては、ドライクリーニングが出来ません。また、反応染の半纏や無地半纏でも名入れなどを顔料で行っていると、ドライクリーニングできないので注意が必要です。
ヨゴレが落ちないからと言って高温での洗濯はしないでください。水洗いの温度までと思ってください。もともと永年使用目的の商品ではありませんので、割り切ることが必要です。結果としては、2倍の価格の反応染のほうが長い目で見ればお得ということになります。
金箔使用品:スチームアイロン、高温アイロン、もみ洗い禁止です。専門店でも難しいのでご注意を。
綿製品は大きなシワになるとアイロンでも取れにくいので、必ず正式に畳んでください。
和装用ハンガー(ニッセンさんで安く売っています)につるしておいても粋ですかね?
ポリエステル製品は比較的問題ありませんので、ノーアイロンです。
畳み方。買ったときの形で畳んでください。どうしても聞きたい!という方はデーターがありますので、お問い合わせください。同業者さん以外はお客様じゃなくても対応します。
番外編:浴衣
浴衣の洗濯の問い合わせが多い!うちは半纏屋だぞー!っと言いたいところですが、こっそりと本染浴衣もやっています。手拭いなんかもこの本染が多いです。ちなみに工場への受発注は一般的に問屋を通しますが、当店は直接取引です。かわいがっていただける染工場様、型職人様感謝感激です。と、まえふりをしておいて・・・
浴衣の洗濯はとても大変です。(洗濯機NG。完全手洗い。できなきゃ専門店へどうぞ)店長といえども、そうそう洗いたくありません。(なので着なくなってきた)まず!着物タタミをする。お風呂に水を20cmくらい張る。水洗いで大丈夫かな?程度の場合は洗剤は不要です。洗剤を使う場合は、薄目の中性洗剤が一般的ですが浴衣についているタグを参考にして下さい。染色方法や海外製品の場合大きな問題になることがあります。ジャブっとつけたら、たたんだ形のまま、ヨゴレを押して出すようなイメージでギュギュと押します。
裏返してさらに行います。ギュギュ。水を素早く入れ替えます。だって、濡れたまま放置しちゃいけないんですから。洗剤を使っていた場合はこの後、2回すすぎのための押し洗いをします。水洗いの場合は1度で良いでしょう。洗濯終わりです。次は乾燥方法ですが、これが難しい!ので大きめのネットに入れて、洗濯機の脱水を使ってしまいましょう。ウール使用に代表される極弱の脱水を使います。終了したら、すぐに着物用ハンガー(ニッセンさんで安く売っています)につるして陰干しします。濃い色の所が白い所に汚染するのが1番多いので、付かないように干して下さい。色落ち汚染しちゃったよ!!!そんなときは、早めに再度薄目の中性洗剤で洗って下さい。色落ちしたところを重点的に。もちろんすすぎは入念に。乾いたら、アイロン地獄です。慣れないと厳しいですね。長い!長い!長い!疲れますが、ここまでくると愛情も出てきます。アイロンかけたら畳んでタンスにしまって下さい。来年までさようならー!
浴衣について・・
最近はブランド物とか安いものが出てきました。捺染と呼ばれる物で、現代風人にマッチした寸法で出来ています。品質はポリエステルまであります。ポリエステルの場合は洗濯機も大丈夫ですし楽ですが、粋がありません。やはり本染浴衣を着たいですね。販売店で聞いてみて下さい。答えられないお店の場合は購入を止めましょう。
色落ちには、色止めだよ。おまえそんなことも知らないの?と言われることがあります。一般的には藍染と一緒で「酢」と言われますが。素人は本染浴衣に対して行わないで下さい。染料により激しく色落ちがします。何色と名言できませんが、危険ですので専門の方(買ったお店)に相談して下さい。(即答できる小売店はかなり優秀)
話して分かる、浴衣を買って良い店悪い店。
若い人に多い、手が長いという事実。本染浴衣は欠点として、手の長さに対応できません。そこでソデハギという方法で裄を出します。(背中の中心から手首の事)さらに、体型の4L程度の人には、身幅ハギという方法まで行うのが、本当なのですが、この事実を殆どの呉服店が知りません。そんな呉服店は何というか知っていますか?そんなに大きな浴衣は普通ではあり得ない。相撲取りの浴衣ならあんたのサイズでも作れるから相撲取りの浴衣の生地を買えばいいと言うのです。みなさん、そうか!と納得されると思いますが、残念ながら反物の幅でわずか1〜2cmしか変わらないのです。それなのに、知らない呉服店は2倍も3倍も幅があると思いこんでいるのです恐ろしいことですよね。それを信じたお客様はあるはずもない商品を探しに出かけることになります。当店は相撲取りさんの浴衣もオーダーで受けておりますので間違えありません。ですが呉服店の善し悪しを見極めるのには1番ですね。じゃあなんて聞けばいいの?はい。お教えしましょう。私は手が長いので、長目に作りたいです。裄が70cmくらい欲しいのですが?と聞きます。
悪徳な答え
1・お客様のサイズでしたら68cmくらいで大丈夫ですよ。(通常限界サイズ)
2・そういうのはありません。
3・お相撲取りの浴衣じゃなければそんな寸法はありません。
良心的な答え
1・本染浴衣じゃないけれどブランド物ならそういうのもあるよ。
2・2反買うことになるけれど、ハギ仕立てをすれば出来るよ。
が一般的だと思います。入りにくい呉服店が多いですが、本当に良い浴衣を販売しているのは呉服店という事実もありますので、十分な知識をつけて挑んでください。またこういう内容をきちんとした対応してくれるお店では半纏の販売も的確な場合が多いですので、相談するのも良いかもしれません。もちろん当店にもご相談下さいね。
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